SPECIAL LIVE REPORT
11月11日(日)@柏JUDGE LIVE REPORT


  楽しく明るく、そして激しく。エビタイガーは、まさにそんな言葉が似合う3ピースバンド。

 今回は柏JUDGEで行なわれたイベントのトリに出演した彼ら。加藤伸吾(g,cho)の弾くブルーのレスポールから繰り出されるゴリっとしたリフが印象的な「約束」でライヴはスタートした。大きなアクションで重いビートを叩き出す八百俊介(ds,cho)、そして、岩井拓也(b,vo)はどこか憎めない楽しいキャラクターで、いつまにかアウェイであるこの空間を自分たちのものにしてしまう。
 ハードながら、シリアスになり過ぎない彼らの楽曲は、会場のみんなが身体を揺らすにはもってこいのグルーヴ。そんなにステージが広いとは言えないこのライヴハウスで、彼らはまさにフレームからはみ出さんばかりの存在感を放っていた。
 エビタイガーのサウンドは基本的には歪んだギターを軸としたストレートなパンクロックが特徴。だが、3拍子で始まるナンバーや、ラストに演奏されたクリーンなアルペジオから始まり、次のリフへの期待感を盛り上げていく「手をはなそう」など、直線的にならないよう、けっして飽きさせないように工夫されたアレンジで、いつのまにか観客の心を掴んでいく。
 途中のMCで、加藤が冗談を交えて、もともとはパンクで髪も立てたりしていたけど……といった発言をしていたが、普段着の彼らのロックの中にも、根底にあるパンクロックの精神が見えたような気がしたライヴだった。


11月06日(火)@HEAVEN’S ROCKさいたま新都心VJ-3 LIVE REPORT


  今、むしょうに悔やむ気持ちでいっぱいだ。評判こそ聞いていたものの、
  YUEYという素晴らしいバンドに出会ったのが、つい先日であったことを。

 7月25日にリリースした6曲入りミニアルバム『室内MUSIC』を引っさげてツアー中のYUEYをHEAVEN'S ROCK さいたま新都心VJ-3で見た。彼らのステージを見て、購入したCDを何度も何度も聴くにつけ、「うわぁ~。もっと早くから見ておきたかった!」と、そんな想いでいっぱいになった。
 さて、その「YUEY Live Tour '07 『CARAVAN』」は、日本語の美しさを再確認する、“世界は一本線繋がっていて 君と僕またぐ地平線”と歌われる「赤い鉄塔」からスタート。そして、激しく掻きならされるギターにうねるベース、前のめりのドラムによる超ロックナンバー「YUKARI」(アジカン好きなら大ヒット!)、木訥でひょうひょうとした空気が素直に身体に入り込む「CARAVAN」と続く。また、「rainman」での3人が視線を交わしつつ演奏するさまには、ロック~生ならではの醍醐味を感じた。
 途中、気象予報士の免許を持っているという杉本“じょう”亮平(ds)による明日の天気予報を挟み(これがスゴイ! 本当にテレビの天気予報を見ているかのような的確かつ滑らかな表現/笑)、ラストナンバー「蝉の音」へ。YUEYの曲を聴いたことがなかった私が前述した悔しい気持ちになったのは、なんといってもこの曲の魅力によるところが大きい。もの悲しいイントロから心を鷲掴みにし、“和”のテイストを感じさせる哀愁のギターフレーズが楽曲の良さをさらに押し上げ、心にねじ込む。紛れもない名曲に、心底感動した。
 “眼鏡ロックの最終兵器”とされるYUEY。その眼鏡を振り落とすほどの勢いで演奏される(笑)爆音チューン、日本語の美しさを堪能できる情緒ある楽曲と、彼らの魅力は尽きない。遅ればせながら今回YUEYを知った私としては、今後その遅れを取り戻すべく彼らにのめり込みたいと思う。まずは「SHIBUYA HEART ATTACK!」! 24日はLUSHに行かせていただきます!!


11月8日(木)高円寺CLUB LINER LIVE REPORT


  にわかに熱いと噂される高円寺のCLUB LINERで開催された。
  ギター&エモの実力派バンドが集まった3マンライヴ。

 トップに出演したのは、みずからを秋葉系(?)と語る個性豊かなルックスの平野 航(vo,g)を中心に深川大河(ds)とのユニットである夏待ちレスター。一昨日、考えたという「乙女のスーダラ節」からスタートしたライヴは驚きもの!? もしかしてコミックバンドでは? という不安をよそに繰り広げられる楽曲は極上のハードポップ! 「東京ガール」「東京ひとりぼっち」と、どこか都会の寂しさを感じさせる歌詞とメロディに、フォーク、ロック、ポップスを下敷きに転調なども交えドラマティックに展開するサウンドは、彼らのルックスとは裏腹に往年のロックへの愛情に溢れたものだった。
 二宮 悠(vo,g)の腕から弾き出される、とてもテレキャスターとは思えないブッといフレーズと、3ピースとは思えない分厚いバンドサウンドで2番目に登場したハネムーン。今日のライヴに参加できたことが心から嬉しいと語る彼らのパフォーマンスは、若さゆえの爆発力と想像力で突っ走る爽快感。どことなく“和”を感じさせるメロディラインと、ペンタトニックを中心に押し捲るギタープレイは荒削りだが、目を離せない勢いがある。“雨が嫌いだけど、この曲を作ったら好きになった”とMCで語った「9月の雨」では、熱さだけではない、彼らの違った一面も見ることができた。
 トリに登場したのは1stフルアルバム『コードネーム“男の子”』をリリースしたばかりのLucky13。1曲目の「東京ライフ」が始まると、会場はヴォーカルの中瀬が持つ、独特の世界観にするりと引き込まれていく。シルキーなヴォーカルと、時にはアンビエントに、時にはテクニカルにフレーズをコラージュするかのような熊坂のギターが、水彩画のように彼らの音楽を彩っていく……。ポップなだけでなく往年のロックスタンダードへの敬意も払いつつ展開される「アイロニー」、そして、リリースされたばかりのアルバムのリード曲「コードネーム男の子」など、彼らから溢れ出る七色のロックンロールは、いつまでも、どこまでも飛んでいきそうな、そんなイメージだった。
 秋の夜長にロックのライヴ。実力派の3バンドがさまざまな色を見せてくれた今回のイベントは、長い秋の夜の退屈を吹き飛ばすには充分過ぎるほどの内容だった。