SPECIAL LIVE REPORT ユニゾン&バス東西2マン対決“UNIっとbus”~東の陣~@下北沢MOSAiC
●取材:西沢八月  ●撮影:東京神父
 彼らが音を出した瞬間に、会場の空気がガラリと変わった。ミニアルバム『I Go Home』のリリースに伴う、全国12ヶ所をまわる「TOUR in 12 Homes」。ファイナル公演の会場となった渋谷La.mamaは、彼らを待つ多くの観客の熱気であふれていた。
 ファーストアルバム『echo city』に収録されている「Rain Song」でステージが始まると、そこからはもう彼らの独壇場だった。バンドから放たれる音の洪水にしっかり踏ん張っていないと流されてしまうような、あえて流されてしまいたいような気持ちよさだ。インディの器では収まりきれないであろうそのオーラは、ヘタをすれば生半可なプロのバンドでは敵わないんじゃないかとさえ思わせる。
bass 大成 泰
vocal,guitar 仲手川裕介
 それぞれのメンバーの出す音の存在感、その上を自由に滑らかに渡り歩くヴォーカル仲手川の憂いに満ちた声。ホワイトのストラトキャスターを構えた山下は、往年のギターヒーローのそれを思わせる佇まいだ。その指先から放たれるプレイは“エモーショナル”という言葉が相応しい。そして、多くのエフェクトとシーケンス的なフレーズを積み重ねてSPANK PAGEの音の壁を作っていく伊藤のギター。それぞれのメンバーから放出されるトラディショナルとイノベィティヴが融合されたそのサウンドは唯一無二だ。
 続いて演奏されたのは、2月にリリースされたミニアルバム『I Go Home』の中でも、もっともメロディアスな「zero」。憂いのあるヴォーカルラインが聴く者の心の琴線をくすぐり、彼ら以外を目的に来た観客をも自分たちの世界に引き込んでいく。その日の会場の雰囲気でセットリストとアレンジを変えていくという彼ら。この日は『I Go Home』を中心に過去の曲を交えて演奏されたが、彼らの目にはどのような景色が映っていたのであろうか?
 ステージが進むごとに、彼らのライヴはどこか臨界点を探すように突き進んでいく。それが爆発したのがアンコールで演奏された「echo city」だ。彼らのルーツとも言えるロックレジェンドたちに敬意をはらった楽曲とサウンドは、すべての呪縛から解き放たれた自由奔放で弾けたSPANK PAGEの別の一面を見ることができた。
 それぞれのメンバーが持つ、それぞれのエゴと研ぎ澄まされたアレンジのギリギリのバランス。そのタイトロープな感じがSPANK PAGEの最大の特徴であろう。一歩間違えば、空中分解しかねないその危うさを秘めた緊張感に、受け手側も一瞬たりとも目を離せない。


guitar 山下啓一郎  SPANK PAGE  vocal,guitar 仲手川裕介