LOCK ON ROCK Presents Powered by ONPOO
LIVESTAR's FES
2006.11.22@Shibuya O-West ●取材:西沢八月 ●写真:ジョン・チーズバーガー

 ライヴハウスで明日のスターを夢見て日々活動するインディーズバンド達。そんな彼らにスポットを当て、共にシーンを盛り上げ、新しいスターを発掘していこうというイベント「LOCK ON ROCK presents “LIVESTAR’s FES” Powered by ONPOO」。会場となった渋谷O-Westには自分のひいきのバンドの応援に、そして新しいロックスターを探しにと、キラキラと目を輝かせた、たくさんの顔であふれていた。

 トップバッターは高知出身のMANA SLAYPNILE(マナ・スレイプニル)。 Charプロデュースのもと昨年12月にメジャーデビューした4人組だ。市川幸司(vo,g)による等身大の言葉をキャッチーなメロディに乗せて伝えるポップな世界観は、会場のオーディエンスが知らず知らずに身体を揺らしてしまうほど。サウスポーの正木太陽(g)から繰り出される決してヴォーカルの邪魔をしないギターのフレーズが心地よく、さらにメロディを追うような沖 雅仁(b)のベースラインからは彼らのバンドとしてのポテンシャルを感じさせる。また、大きな体をドラムセットに押し込むかのように座りながら、小気味良いリズムを生み出す武市容典(ds)の姿はインパクト大! トップバッターならではの緊張が伝わってくるものの、4曲という少ない演奏時間ながら、全体を通して、誰もが楽しめる心地よい空間を作り出していた。そして、最後に演奏されたデビューミニアルバムのリード曲「super tar」は思わず口ずさんでしまうポップネスだった。

 UNIISON SQUARE GARDEN(ユニゾン・スクエア・ガーデン)は変則的なリズムと斎藤宏介(vo,g)のひっかかりのある個性的かつ、甘い声質のヴォーカルが印象的な3ピースバンド。 田淵智也(b)のアグレッシヴなプレイがどこまでもバンドのテンションを上げていく。ベースの指板の上を縦横無尽に駆け巡る彼の指先は休むことを知らないかのように動きまわる。演奏することが本当に楽しいという、プレイヤーとしての欲求のまま走り抜けるステージは、ある意味、潔くてカッコいい。今回唯一の3ピースバンドだが、音の薄さなど、まったく感じさせない。疾走感あふれる「23:25」が終わり、斎藤の優しい声で歌い出された「いつかの少年」では、それまでのアグレッシヴさとは違った“聴かせる”一面も見せてくれた。ギターのカッティングから始まるメッセージ性のある「箱庭ロック・ショー」、そして「ガリレオのショーケース」へと、どんどんスピードを上げていく彼ら。ほうっておいたらどこまでも止まることなど知らないかのような、勢いに満ちたステージだった。

 AJISAIは松本 俊(vo,g)の説得力のある歌声が魅力だ。彼らを知らない他のバンドのファンさえもAJISAIワールドへ引き込んでいく。 オープニングナンバーは「未来」。まさに彼らのこれからを表わすようなこの曲は“未来へ行こうよ 君の震える手 繋いであげよう だから強く握り返してよ”のフレーズが心に残る。多少、荒削りな部分も見受けられたが、野太いバンドサウンドは、まさにストレート! 細かいことなど気にならないほど、素直に気持ちいいと感じた。アジカン(アジアンカンフージェネレーション)やMUSEを彷彿させるところもあるのだが、AJISAIのそれはもっと男らしく、“俺についてこい”的な兄貴肌なもの。5度の刻みとオクターブを多用した須江篤史(g,cho)のギタープレイは、単純ながら彼らのサウンドに躍動感を与えていく。メランコリックなアルペジオが特徴の「ハルカ」は、“忘れることができないんだよ”の一節が胸に響く佳曲。続いて演奏された、ディレイの効いたイントロの「オレンジ」、そして「片道急行」は、明日へ向かっていくような希望の歌だ。自分達がバンドをできることを素直に喜んでいるかのようなステージが印象的だったAJSAI。それは会場のオーディエンスにもきっと強く伝わったことだろう。

 勢いのある丹 大博のドラムから始まる「向日葵の詩」からスタートしたTRANSISTARのステージは、今回の出演バンドの中でいちばん華のあるものになった。 メンバーそれぞれのキャラクターもあるのだろうが、何といってもヴォーカル&ギター松野龍一の抜群の存在感によるところが大きい。歌い出した途端、誰もが耳を傾けてしまうほどに彼の歌声はまさに天性のもの。スピード感あふれる橋川 潤のベースのフレーズから始まる「夜明けプリズム」は憂いのあるメロディとギターのカッティングが“バンド”を感じさせた。
どんな曲も松野が歌えば名曲になるのでないかと思ってしまうほど、彼のヴォーカルは聴く者の感情に訴えてくる。TRANSISTARの曲の中でも「名無しの唄」「もしもし」はそんな彼の真骨頂。シンプルで最少なアレンジに乗って歌う松野のヴォーカルは会場のすべてを彼のものにすることに成功したはずだ。圧倒的な存在感で会場を包み込んだTRANSISTAR。彼ら自身もその出来栄えに満足そうだった。

 ゲストとして登場し、会場に華を添えてくれたのはJELLY→。 「DISCOVERY」から会場はパニック寸前だ。当然といえば当然なのだが、さすがに放たれるサウンドのブっとさが他のバンドとはケタ違い。まさに“ライヴバンド”の面目躍如といったところだ。「LOSER」でYAFUMI(vo)はステージぎりぎりまで迫り、観客をあおる。また、メンバーそれぞれが抜群の存在感を放っているのも、とても印象的だった。そして、多くのライヴをこなしてきた兵だけが持つ強さと、それに基づく自信を彼らは持っていた。「RAINBOW BIRD」はブルースを基調にした大人のロックで、YAFUMIのセクシーなヴォーカルとKAZUKI(g)の渋いギターがカッコいいナンバー。「おもちゃのピストル」「VOLVO PUNK」と立て続けに演奏し、嵐のように去っていった彼ら。まさに貫禄のステージだった。

 楽しい時間は本当にあっという間だ。最後に行われた、UNISON SQUARE GARDEN 、AJISAI、TRANSISTARのメンバーによるセッション「さすらい」(奥田民生のカヴァー)では、そんな名残惜しい気持ちを吹き飛ばすかのように、それぞれのバンドが気持ちよさそうに演奏した。参加3バンド、そして会場のオーディエンスの笑顔を見れば、このイベントが大成功であったことがわかる。いろいろなバンドと対バンする楽しみ、自分の知らないバンドを見つける楽しみ、そしていろいろな想いが伝わる喜び。ライヴを通してさまざまな笑顔を発見することができた。この中から明日のロックスターは生まれるのか。そして自分だけのロックスターを見つけることができるのか。これからも定期的に開催されるという「LIVESTAR’s FES」、今後の展開がじつに楽しみだ。

ライブフォト

第2回開催決定!
11.22ライブ動画配信中
出演アーティスト
MANA SLAYPNILE 〔セットリスト〕
01.ソングライター
02.パズル
03.ホワイト
04.super star

UNISON SQUARE GARDEN 〔セットリスト〕
Set list
01.流星行路
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02.23:25
03.いつかの少年
04.箱庭ロック・ショー
05.ガリレオのショーケース
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AJISAI 〔セットリスト〕
01.未来
02.世界の果て
03.ハルカ
04.オレンジ
05.片道急行

TRANSISTAR 〔セットリスト〕
01.向日葵の詩
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02.夜明けプリズム
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03.名無しの唄
04.優しさ日和
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05.もしもし
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06.ココロノハ
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JELLY→ 〔セットリスト〕
01.DISCOVERY
02.FLY BOYS, FLY
03.LOSER
04.アロワナ
05.SISSY DUCK
06.不良の行方のBGM
07.ORANGE
08.RAINBOW BIRD
09.おもちゃのピストル
10.VOLVO PUNK

協賛
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